ダイビングショップを選ぶ上で知っておいたほうがいい注意点がいくつかあります。前述したようにダイビングショップは指導団体に所属する必要がありますが、料金設定や営業方法、どのようなダイビングツアーを開催するかは、基本的にそのお店に委ねられています。それにより多様なダイビングシーンやサービスの広がりが期待できますが、初心者の方にはわかりにくいサービス形態があるのも事実です。ここでは、ダイビングショップを選ぶ際に特に確認が必要な3点に注目していきたいと思います。
ダイビングライセンスを取得するまでには様々な費用がかかります。「講習費」と書かれていても、どこまでの費用が含まれている金額なのかを確認する必要があります。ダイビングの業界には「講習費」にどこまでの費用を含めないといけないという規定がないため、それぞれのショップによって含まれている項目が違います。ライセンス取得までに費用がかかるのは以下のような項目が一般的です。
① 学科講習費
回数や時間はショップによって違いますが、インストラクターが教科書を使ってレクチャーしてくれるための費用。
② プール講習費
こちらも回数や時間はショップによって違いますが、インストラクターがプール(プールでなくても水深が浅く流れのない限定的な水域であれば海でも可)でレクチャーしてくれるための費用。
③ 海洋実習費
ほとんどの指導団体が4回の潜水を規定としています。インストラクターが一緒に4回潜って海での実習をしてくれる費用。
④ 教材費
ショップが所属する指導団体によって多少の違いはありますが、学科講習で使う教科書やログブック(ダイビングの履歴を書く日記のようなもの)などを購入する必要があります。ごく稀に講習費の中に教材費が含まれていないショップも存在します。「教材は別途購入してください」となっている場合は金額を確認するようにしましょう。
⑤ 施設使用料
プール講習会や海洋実習で使う施設の使用量です。プール講習や海洋実習を受ける上では必ず施設を使用する必要があるので、講習費に含まれていることが普通ですが、これもごく稀に費用に含まれていないケースもありますのでご注意ください。
⑥ ダイビング器材レンタル代
プール講習と海洋実習で使うダイビング器材のレンタル代です。レンタル代は全てレンタルを希望される方や、マスクやスノーケルなどの一部は揃えて、残りをレンタルされる方や、全て購入されて受講される方もいらっしゃるため、レンタル代は含まれていない事が多い印象です。
⑦ライセンス申請料
ダイビングのライセンスカードを指導団体に申請する際に必要になる費用です。「Cカード申請料」「Cカード発行手数料」などと記載されているケースもあります。通常は講習費に含まれていますが、ごく稀に最後に別途請求される事もありますので事前に確認しましょう。
その他保険代や漁協協力費、タンクレンタル代などありますが、通常は以上の7項目がライセンス取得までにかかる費用です。ライセンスを取得しようかなと思える「気になるスクール」が見つかったら、電話か無料の相談会に参加して、ライセンス取得するまでにかかる総額を必ず確認しましょう。「講習費に含まれないものはありますか?」や「講習費以外にかかる費用はありますか?」と聞けば教えてもらえるでしょう。
ライセンス講習費がショップごとにまちまちなのは、「どこまでが講習費用として含まれているのか」を確認することが重要だということは前述しました。しかし、ショップによっては低価格で講習を提供する代わりに、ダイビング器材の購入が必須(全てではなく、一部という場合もあります)というケースや、中級のアドバンスコースまでステップアップすることが必須だったりするケースがあります。最初から費用をしっかりかけて趣味を見つけたいという方には、初級ライセンスの取得費用が抑えられてお得です。しかし、とりあえずライセンスを取得してみて「楽しかったし、これなら続けられそうかなと思ったらその先を考えたい」という方には不向きです。
ダイビングライセンスを取得したら、いよいよ楽しいダイビングライフがスタートします。憧れの南国リゾートに出かけて行ったり、沖縄の美しい海を潜ったりも良いでしょう。しかしライセンス取得後はまだスキル不足な場合が多く、本格的なダイビングポイントでは実力不足の為断られてしまう場合が多いのが実情です。
その為、ライセンスを取得したショップが開催する日帰りのツアーなどで経験を積み、色んな環境でダイビングができるスキルを習得してから沖縄や海外のツアーに出掛けることが一般的です。よって、講習会を終了後にお得なツアー料金で経験を積めるかが非常に重要です。ライセンス取得ごのツアー料金も確認しておくことをオススメします。
以上、「失敗しないダイビングショップの選び方」を紹介してきました。スキューバダイビングは日常では絶対に味わえない浮遊感と美しい熱帯魚、見た事も無い様な大きな生物と出逢える、非常に魅力的な趣味です。しかしダイビングショップには色んな業態があるため、自分に合ったスタイルのショップを探してからスタートすることがオススメです。この内容を読んでいただき、ショップ選びの参考にしていただければ幸いです。